……本当のところ、まだ動揺している。
自分にそんな想いがあるなんて考えもしなかった。
居場所など無くても平気なのだと思っていた。
物心付く前からそれが当たり前で。
別に、それで良いと思っていた。これが自分の生き方だと……
『僕が居たいと思う場所に居られればそれで良い』
この答えも嘘じゃない。
だけど此れは逃げではないのか……と言われれば否定は出来ない。
隠れていた気持ちに気付かされた今、どうすれば良いのか。どうしたいのか。
自分の心が分からなくて困る。
……紛い物の方が余程、僕のことを分かっていたのかもしれない。
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